よくある質問 Kelemenダイポール

SWR特性は公開していないのか?

メーカーのWiMoでは公開しておりません。メーカー側では、設置環境に依存するからとしております。JA局においては、帯域幅にご関心があるのだろうと思いますが、当ショップでも実測してデータ収集するようなことは行っておりません。一般論になりますが、短縮するほど帯域幅は狭くなります。

当ショップ近隣の方にお買い上げいただいた際に、お伺いしてSWRを実測させていただいた結果を店主ブログに掲載しております。7,10,14,21,28M帯用の5バンドモデル(DP-4030201510)です。

調整方法について

周波数の高いバンドから調整を行ってください。最も周波数の高いバンドは、バラン付近のエレメントの折り返し量で調整します。最も周波数の低いバンドは、エレメント端の折り返しで調整します。

3バンド以上用のモデルでは、中間のエレメントがありますが、製品自体には中間部のエレメント長の調整部分はございません。ただ、Kelemenダイポールはトラップによって外側エレメントを電気的にきっちりカットしているためか、SWRが下がらないといったご相談は受けたことはほとんどございません。

Kelemenダイポールは各バンドの下端で最良点が得られるようになっており、もし、短くする場合はエレメントを折り返してクリップで留めるなどの方法で電気長を短くすることをお勧めします。設置環境の変化、張り替え等を考えますと、切り詰めることはお勧めしません。長くしなければならない場合、当店にて実際に試したわけではありませんが、別のワイヤを添わせて、一部をヒゲとし、容量結合によってエレメントと電気的に結合させてローディングキャパシタを構成する方法も考えられます。どうしてもエレメントを途中で切断して他のワイヤを継ぎ足して延長するような場合、接続部に力が加わらないようロープ等で補助してください。

デジタルモード 1KWは可能か?

2Kwのモデルでは、SWRが高くなければ大丈夫との回答をメーカーから得ています。なお、あくまでアンテナ側のSWRですので、チューナーなどを使ってみかけのSWRを下げている場合はご注意ください。

SWR悪化に伴ってトラップが焼損した事例は国内でもあります。トラップ交換による修理は可能とメーカーからは聞いておりますが、国際間の往復送料・修理工賃を考えると現実的ではないと考えております。SWRが悪化した場合は、再調整、パワーダウンなどの配慮をお願いいたします。


トラップの共振周波数を変えることはできるのか?

トラップの共振周波数は各バンド下端に設定されています。メーカーの能書きによれば、断面を円形から玉子型にすることによって共振周波数は高くなるとしています。理論に沿った内容かと思いますが、Kelmenダイポールではトラップとエレメントの接合部は樹脂で固められており、トラップ単体の共振周波数を測定することは、アマチュアにとって事実上不可能かと思います。また、400Wモデルでは、トラップを手で変形させてインシュロックタイなどで形を固定させることはできると思いますが、2Kwモデルは太い同軸が巻かれているため、変形させること自体がかなり困難です。トラップの共振周波数について気になさる必要はないと思います。ローバンド用モデルではフォーンバンド用のモデルがございます。


バランケース、ワイヤの耐久性は?

バランは見た目が透明ケースのため、ご懸念はもっともかと思います。耐候性ポリカーボネード製で十分強度があります。これまでに割れたといった話は聞いておりません。

なお、ワイヤも透明被覆ですが、日本製のものにくらべ、比較的早く茶褐色に変色していくようです。が、破断したというような事例はきいておりません。

一方、碍子の折り返し部分のワイヤの被覆が崩れたという事例は聞いております。バラン付近も含め、折り返し部分で力が加わる部分は、調整後、ビニールテープを巻くなどして、紫外線から保護することをお勧めします。


トラップに使われているタイが切れてしまった。

タイは耐候性のものを用いているとのことですが、トラップの固定のために1製品あたり何十本も使われているため、経年劣化により切れてしまうものが出てくるかもしれません。お手数おかけしますが、市販の耐候性のインシュロックタイで留めていただくようお願いいたします。バランが樹脂等で充填されていないことと同様ですが、本製品はアマチュア無線家が自身でメンテナンスしながら長期にわたって使用できるようにとのコンセプトで製造されております。ご理解の程、お願いいたします。

なお、当店でご購入されたものについては、タイを若干本、予備としてお付けしております。


品番の見方

数字は使用可能なメーターバンドを示します。他、H:ハイパワー用(2KW)、S:高短縮タイプ、P:フォーンバンド用(160m、および75mバンド)、L:160mバンドの意です。